眼の白濁している部位を調べます。 水晶体に異常な白濁を起こしているものが白内障という事になります。 また、瞳孔を広げることで白内障の位置、範囲、進行度を評価します。 水晶体脱臼の有無も観察することができます。 角膜、前眼房に白濁のあるものは、別の病気である可能性があります。
ぶどう膜炎を伴っているときには眼圧が低下傾向にあり、緑内障があるときには眼圧は上昇します。
眼底を観察することができれば、眼底の評価をします。 超音波検査を行い、水晶体より後方の状態を確認します。 また、網膜電図検査を行い、網膜の状態を把握します。 ※網膜の異常が存在する場合には手術適応外となることがあります。
白内障がホルモン異常や糖尿病が原因で発症していないかチェックします。 糖尿病が持病の場合は、糖尿病がコントロールされていることが必要です。 猫の白内障は、感染症、腫瘍によって引き起こされることがあります。 白内障手術には全身麻酔が必要となります。 血液検査・レントゲン検査をすることで全身のチェックを行います。
手術は全身麻酔下で行われます。 白濁した水晶体内容物を超音波で乳化させ、吸引します。 その後、より良好な視力を得るために人工レンズを、水晶体嚢内に挿入します。 近年、挿入する人工レンズは折りたたんで挿入を行い、嚢内でひろがるレンズを使用することで角膜の切開は3-4㎜程度で行う事が出来るようになり、乳化吸引装置の進化によってより安全、迅速に行えるようになりました。 術後の合併症としては、角膜・結膜の炎症、眼内の化膿、ぶどう膜炎、緑内障などが挙げられます。 消炎剤、抗生剤、散瞳剤の内服、点眼を術前から初めて行きます。 また、長期間の観察が必要ですが、レンズの位置が変化することも考えられます。